見たいな君の意外な姿とか

3年前に好きになった人が、人生で一番好きだった
初めてあんな恋愛をした
好きって祈りのようで、願いで、それでいて欲だった
今でも何度もあの日々を思い返す
当時を思い返すといくらでも言葉が紡げるような気がしたので、残してみようと思う
痛くて自分でも目が当てられないけど、面白がれるようになってきた。よかった。



好きになったのは瞬間だった
いや、元々見た目がタイプだなとは思ってたけどそれだけ、特に仲良くもなかった
とある飲み会で隣になって、そう、あのレモンサワーがその後私をぐちゃぐちゃにしたんだ
しかも生搾り。業が深いよ。
それから半年はもう好きなのか憧れなのかわからない状況だった
ほとんど会えなくて、連絡もできなくて、恋い焦がれるって言葉を体で感じた
会えないのにずっと好きだった
他の人を好きになるタイミングもあったと思う。むしろそのひとがいなければ好きになってた。でもならなかった、好きな人がいたから。
お守りで呪いだった
冬の始まり
いや、秋がそろそろ冬に溶けて、キンモクセイが柔らかく香る、静かに寒さを待つ感覚
今でも思う
好きになった季節が来ちゃう、って
寂しくてもどかしくて好きな気持ちが暖かくそこにいたこと
勝手に優しくなることを許されていると感じた
一人でいるとき、音楽を聞いているとき、いつも思い出した
何をしているんだろうこんな話がしたいあのとき楽しかったなあそこに行きたいなってずっと思ってた
それがすごく幸せだった
季節が暖かくなって、暑くなって、そしてこの恋を終わらせるときが来たけど自分では難しくて
無理やりいなくなってしまった
そのとき初めてこの恋で泣いてしまいそうになったけど泣けなかった
そういうときはロマンチックじゃないのかとちょっと自分に失望したのも覚えている
結局憧れと好きが混ざった恋だったからこんなに一人でこねくりまわせたのかもしれない
二人で初めて飲み屋に行っていろいろ話しながら飲んだ日、帰りにひとつも忘れたくなくてメモに残した
そんなこと初めてだったし、まだ覚えてることもたくさんある
恋が始まった日から一年半くらいは苦しくて苦しくて辛かった、楽しかったけど辛かった
もう人のこと好きになるのも嫌だと思ったしそれ以降誰のことも好きになっていない
あの人以上に好きになる人なんているのかとすら思ってしまう、ならなくてもいいんだけど
だけど劇薬の幸せの味を知ってしまった
どんなラブソングだって自分のことに聞こえてしまう、それが楽しくてちょっと痛くて分かってて
あーあ、叶わなかったからあんなに一人で恋い焦がれたからきっとずっと忘れられないんだろうな。悔しいよ
今はもう好きじゃないけど心の底から好きだったとは思う
それってなんて虚しいんだろう、
思い出はなんでこんなに優しいんだろう
私のためだからかな





ずるいね/chelmico